フォルケホイスコーレに行ってきた話

こんにちは。

今日は、フォルケホイスコーレ(Folkehøjskole)について書きたいと思います。

 

先日友だちが留学しているフォルケで発表会があったので、1泊2日でお邪魔しました。

 

まず、フォルケホイスコーレ(Folkehøjskole)とはデンマークの教育機関で、日本語では「国民学校」、「大人の学校」とも訳されています。

主に、高校を卒業した生徒が、自分で学びたいことを選んで、学校を決め、次のステップにむけて学習する全寮制の学校です。

単位を取得したりするような学業重視の教育機関ではありません。

雰囲気はとても自由で、ヨーロッパのギャップイヤー(高校から大学に進むまでに自分が何をするか考える期間)の期間にあたる子たちが多く参加しているようです。

 

今回、わたしは、友だちの留学している”Den Rytmiske Højskole”にお邪魔させていただきました。

このフォルケは、音楽専門のフォルケで友だちはドラムを専攻しています。

 

Rytmiske Højskole では、

楽器を演奏するコース、作曲コース、音響とかを専門とするコースの大きく3つに分かれていて、楽器を演奏するコースはさらに歌、ドラム、ベース、ギター、ピアノ、トランペット、サックス専攻に分かれています。(管楽器は現在これだけしかありませんが他にもできるのかもしれないそうです。)

各専攻の授業、好きな音楽ジャンルに分かれてバンドを組んで演奏する授業はみんなが受講し、その上でさらに選択授業があります。

 

選択授業は、作曲、ピアノ、アカペラや音楽の歴史など、音楽に関連したものが多くあり、さらには美術とスポーツも受講できるそうです。

 

音楽ジャンルは入学して間もない頃に8つくらいの中から選び、同じジャンルを演奏したい人どうしでバンドを組んで練習します。

 

この日は、フォルケの発表会で家族を招待してコンサートが開かれました。

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バンド演奏のほかに、授業で書いた詩の朗読発表がありました。個人的にはこれがとても印象的でした。自分で書いた詩という、自己の内面がとても表に出るものを、同年代の子が堂々と、しかも家族や友だちの前で読み上げる姿に感心してしまいました。

この歳になって、自分で書いた詩を朗読するなんて、恥ずかしくて出来ないやぁ…と思ってしまいました。

そんな自分に残念さを感じましたが、

これはデンマーク人と日本人の違いというより、今現在自分自身がアカデミックな環境に身を置いていて自分で創造したものを発表することからすこし距離を置いているから生じる感情なのではないか、とも思いました。

(みんなで授業で)詩を書いたりするのなんて、日本では小学校のときくらい?だと思うので、そう考えると大人になってまたこのような教育を受けられるのはすごく羨ましいと思いました。頭に詰め込むことばかりではなく、自分の内面を見つめ直す時間がこの時期に与えられることに意義があると思いました。

 

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↑寮の写真。ひとつの建物に5部屋くらいあり12人くらいで住んでいます。寮生活も人生に一度はいい経験だなと思いました。この日の夜は映画観賞会がありました。ほかにもパーティーがあったり、集まりがたくさんあるそうです。

 

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↑いっぱいある音楽室。さすが音楽専門。

壁もかわいかったです。

 

もちろんデンマーク人のなかでもフォルケは合う、合わないがあるそうですが、自分の進路を見つめ直す時間が与えられること、やりたいことができることはとてもいいことだなと思いました。

 人間ひとりひとり違うように、進路もひとりひとり違って当たり前だということに気付かされるいい経験ができました。

日本では、ストレートに卒業、就職が一般的ですが、もっと自由に選択することができる、時間的、精神的余裕のある社会になればいいなと思いました。